中学校生活が楽しめなかったアラサー女子の体験談です。中学生の頃の私は顔中にニキビがあり、少し太めの体型でした。思春期の真っ只中、私自身とても自分の容姿を気にしていましたし、容姿や体型に大きなコンプレックスを感じていました。さらに私を悩ませたのは毎日毎日「ブス」「ニキビづら」「デブ」「くさい」などの罵詈雑言で接してくる同級生男子Kの存在。さらに最悪だったのは担任だった若い女教師、N先生です。Kは毎日毎日飽きもせず私を傷つけます。本人としてはからかっている程度の気持ちだったのかもしれません。ですが、私にとってその言葉の数々はナイフよりも鋭利でカナヅチよりも重たい凶器でした。ヘラヘラ笑って耐える日々、思春期の不安定で自意識の高まる時期に受けた酷い経験です。毎日毎日投げられてくる言葉にも、その様子をみて同調する同級生達にも恐怖と腹立たしさ以外の感情はありません。仲の良い友人や同級生の女子が庇ってくれる時ももちろんありました。ですが、Kは私が庇われれば庇われるほど余計に酷い言葉を投げつけます。悪循環以外のなにものでもありません。長崎の縁切り神社に参拝したあと。そして私はある時、Kの家庭状況が複雑であり、最近はあまり良くない環境になっているという事を人づてに聞いて知りました。そのストレスを私を使って発散しているのだという事にも気付きました。ですがそんな事は知った事じゃありません。いよいよKからの酷いイジメに耐えかねた私は、意を決してN先生にイジメられている事を打ち明けました。2人きりの教室で話しをします。ひとしきり話を聞き終えたN先生は、「先生はKと貴女が本当は仲良く出来る2人なんだって知ってるんだけど、どうしたらKと仲直りできそうかな?」そう言いました。今でもあの時の情景や先生の表情が目に浮かびます。この人は何を言っているんだろう?そんな事を思いながら開いた口を塞げないでいると、「こんな事言ったらダメかもしれないけど、ニキビってきちんと清潔にしていたら良くなるものなんだよ?先生にもニキビいっぱいあったけど、ちゃんと綺麗にしてたらすぐ治ったの!きちんと顔洗ってるかな?」そんな事さえ言われる始末。今の自分なら全力でその言葉を否定し、馬鹿にするなと怒れると思います。どれだけニキビに気を使っているのか、どれほど悩んでいるのか、この先生はそんな事への配慮も出来ない人でした。さらには「Kのお家にはいろいろと事情があって、今いろいろと大変みたいなの。だから学校ではもちろんフォローしてあげたいし、クラスのみんなにはとくにしっかりと支えてあげて欲しいと思っています。優しいみんなが力を合わせたら、きっと大丈夫だとも思っています。だから貴女もちゃんと仲直りできるように努力しよう!」そう言って、私の決心の相談は締めくくられました。最悪でしたね。こんな頭のおかしい人間がいるのかとさえ思いました。その後、根がポジティブな私は「あんな頭のおかしな人間でも教師になれるんだ」と妙に前向きに捉えていました。その後すぐに期末へ入り、長期休みを前にN先生は結婚して退職するとの事を知らされて、私は静かに喜びました。顔を見るだけで不愉快になる!そう思っていた先生が居なくなるのは願ったりかなったりです。また、Kの方は次第に素行が荒れていき、学校へ来る事が激減。中学校2年生が終わる頃には、図らずも平穏な中学校生活が送れるようになっていました。そしてわりと最近聞いた話では、大嫌いなN先生は地元では名前の知れた土地持ちの名家へ嫁いでいたそうですが、子供に恵まれないまま最近まで過ごされたそうです。浪費が激しい嫁だと名家の奥様がよく愚痴を零していたとも聞きました。それらが理由かどうかはわかりませんが、先生が40歳になった頃には追い出されるように離婚。旦那さんだった方はすぐに別の女性と再婚なさったそうです。女性には2人の小さなお子さんがおられたそうで、子連れ再婚だったと聞きます。そのお子さん2人は「何故か」旦那さんにそっくりな容姿との事。おじいちゃんとおばあちゃんに大層可愛がられているそうです。そしてN先生は実家へ戻ったものの、恥ずかしいからと引きこもりがちな生活をされていると聞きました。そんな素敵な話を聞いて、私は声を出して大笑いしています